川名

ゴルフ場ではありません。
あれは川奈。
もちろんテレビでしか見たことはありませんが。

川名は地元の居酒屋。
阿佐ヶ谷北では、それなりに名の知れた老舗の居酒屋です。

前から名前は知っていたし、
前もよく通りがかっていたのですが、
何となく入るきっかけがなくて、
というかそれ以前にひっかかる店が沢山ありすぎて、
今まで入ったことがなかったのです。

たまたま、行こうと思っていた店が3軒たて続けに満席で、
それなら行ってみようと思って行ったわけであります。

まぁ、地元では有名でも、
大人の隠れ家みたいな雑誌に取り上げられるような店でもありません。
ふつうの居酒屋です。
でも、
大満足。

いやぁ、飽きずに通える店って、
こういう店なんだろうなと、しみじみ思ったのです。

別にサービスがとりたてて良いわけではありませんし、
びっくりすようなメニューがあるわけでも、
すごい親父の料理のパフォーマンスがあるわけでも、
ほっぺたが落ちそうなすごい料理があるわけでもありません。

心地よさ。

客に気を遣わせず、
楽に一杯の酒をゆっくりと楽しませてくれる雰囲気。
料理は手作りで、真摯に作っている親父の心が伝わってきます。

常連さんらしい60過ぎの男性が入ってきて、
私の横に座りながらビールを注文し、
「煮込みと、豚の串を3本」とオーダー。
どかっと座っておもむろにカバンから本を取り出して読み始めました。

何を読んでいるのかと、ちらっと横目で覗うと、
なんと洋書でありました。
表紙に Murakami とあったので、
これは私の大好きな村上春樹の本だ!と、勝手に盛り上がり、
題名を覗うと、
「The Wind-Up Bird Chronicle」と読める。
これは大好きな 「ねじまき鳥のクロニクル」ではありませんか。

あぁ、阿佐ヶ谷は深い。
この気楽な飲み屋で、
ビールを飲みながら、
実に気楽に村上春樹の洋書を読む初老の男性。
こぎれいではありませんが、
なんとも品格のある景色ではありませんか。

こんな情景にたまに出くわすと、
なんだかものすごく得をした気持ちになるものです。

日本もまだまだ棄てたもんじゃないぞと。

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