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上を向いて歩く

今年の春から働いている新しい職場へ向かうには、 丸の内線の霞が関で降りて、日比谷公園の脇を通ってゆきます。 朝から気持ちのいい整然とした都会の美を愛でながら歩けるというのは、 とても贅沢。 都心育ちの自分にとって、 その景色は普通に自分の周りにある景色で、 ことさらそれを贅沢に思ったこともありませんでしたが、 この歳になって、少し郊外の住宅地に住むようになって、 改めてその景色に接してみると、 改めてその美しさに目を奪われます。 都会の美しさとは、 自然がいっぱいの土地で感じる美しさとは異なった、 人工的ながらも歴史の重みを感じさせる美しさだと思います。 そこには、小さいながらも同じ日本の自然の恵みが溢れ、 四季があり、雨も降り、 歩いている人々も、何となくゆったりと幸せそうに見えます。 人間とは、 心の在り方次第で幸せにも不幸にもなるのですね。 この間ラジオをなんとはなしに聴いていたら、 誰かの言葉として「45度顔を上げて歩くと景色が変わる」というフレーズが聞こえてきました。 きっとそうだろうな、と思い、 日比谷公園の脇を歩くときに 私は最近習慣的に顔を上げてみます。 都心はビルの景色なのですが、 経産省やイイノビルの向こうに虎ノ門ヒルズが見え、 その向こうにきれいな青空が見えます。 この空を見たとたんに、 何故か私の心の中がすっかり洗われて、 自分に与えられているものに感謝する気持ちが芽生えてきます。 誰かに見守られている喜びと安心、 小さな自分を包む大きな美しい空のありがたさ。 坂本九の「上を向いて歩こう」は、 涙がこぼれないよう、 悲しみをこらえて空を見上げる唄ですが、 悲しい時も、 悲しくない時も、 嬉しい時でも、 やっぱり、上を向いて歩いていると、 きっと良いことがあるのだと思います。 なんか、年寄り臭い文章ですね。