Janis
ジャニスと聞くと、
60年代に青春を過ごした人ならジャニス・ジョプリンを思うでしょう。
70年代に青春を過ごした人ならジャニス・イアンを思うかもしれません。
特にジャニス・ジョプリンは、独特の強烈な色彩をもった印象を残して逝ったアーティストでしたから、
ジャニスと聞くと、なんだか少し心が震えるのを覚えます。
同世代の方なら共感して頂けるのではないかな。
でも、
これは違うジャニスのお話です。
私はスキーが大好きで、
高校時代には、友人のコネを使って某大学の寮に泊まり込んで、
ひたすら滑りまくっていました。
石打にあるマイナーなスキー場。
店と言うほどの店もないスキー場へ続く通り。
そこにロッキーという喫茶店がありました。
スキーで冷え切った身体を暖めてくれる石油ストーブ。
手袋や帽子をひっかけて乾かし、
コーヒーを飲んで過ごすひと時は、
何ともリラックスした至福の時なのです。
カウンターの中に、軽めのアフロが似合う
とても素敵な女性がいました。
私たちよりは年上の大人の女性。
余計なおしゃべりはせず、
静かにコーヒーを入れてくれました。
私たちは、みんな彼女のファンになり、
その日から、
毎日ロッキーに通うのが、
スキーを滑るのと同じくらい楽しみになったのです。
そして、
彼女のことをいつからかジャニスと呼ぶようになりました。
彼女には、ひげを蓄えた素敵なご主人がいたのですが、
そんなことは関係ありません。
ジャニスはみんなのアイドルでしたから、
誰も抜け駆けすることもなく、
いい子にして、
その静かに満たされた時間を共有していたのですね。
年上の女性に憧れるってこういうことか、と知りました。
それから何年も経って、
みんな大学生になって暫くした頃、
ひとりの友人がロッキーに手紙を出したのだそうです。
まめな奴だなと思います。
そうしたら、何と返事が届き、
あの頃のみんなにお会いしたいというではありませんか。
変わるもの、変わらないものに思いをはせ、
少しドキドキしながら待ち合わせの新宿の喫茶店に行きました。
ジャニスは、アフロをやめてショートヘアになっていました。
ご主人は相変わらず髭をたくわえたウッドストック世代の雰囲気。
何という話題もないけれど、
何となくあの頃の思い出を語り合いました。
「あの頃はさぁ、結構勝手な毎日を送ってたんだよね。」
「ハンググライダーやってる悪い連中と2階で大麻を吸ったりしてさぁ。」
ご主人の話を、ジャニスは相変わらず静かに聞いて、
時々うなずいていました。
あの時間は何だったのだろう。
過去とは、いつも美しく変化するもので、
時が経つほどに、美しくなってゆきます。
新宿の喫茶店で再会しなければ、
ジャニスは私たちのなかで、
もっと美しい思い出になったのかもしれないなぁと、
思ったりします。
知らない方が良いということは、世の中には沢山転がっているものですね。
60年代に青春を過ごした人ならジャニス・ジョプリンを思うでしょう。
70年代に青春を過ごした人ならジャニス・イアンを思うかもしれません。
特にジャニス・ジョプリンは、独特の強烈な色彩をもった印象を残して逝ったアーティストでしたから、
ジャニスと聞くと、なんだか少し心が震えるのを覚えます。
同世代の方なら共感して頂けるのではないかな。
でも、
これは違うジャニスのお話です。
私はスキーが大好きで、
高校時代には、友人のコネを使って某大学の寮に泊まり込んで、
ひたすら滑りまくっていました。
石打にあるマイナーなスキー場。
店と言うほどの店もないスキー場へ続く通り。
そこにロッキーという喫茶店がありました。
スキーで冷え切った身体を暖めてくれる石油ストーブ。
手袋や帽子をひっかけて乾かし、
コーヒーを飲んで過ごすひと時は、
何ともリラックスした至福の時なのです。
カウンターの中に、軽めのアフロが似合う
とても素敵な女性がいました。
私たちよりは年上の大人の女性。
余計なおしゃべりはせず、
静かにコーヒーを入れてくれました。
私たちは、みんな彼女のファンになり、
その日から、
毎日ロッキーに通うのが、
スキーを滑るのと同じくらい楽しみになったのです。
そして、
彼女のことをいつからかジャニスと呼ぶようになりました。
彼女には、ひげを蓄えた素敵なご主人がいたのですが、
そんなことは関係ありません。
ジャニスはみんなのアイドルでしたから、
誰も抜け駆けすることもなく、
いい子にして、
その静かに満たされた時間を共有していたのですね。
年上の女性に憧れるってこういうことか、と知りました。
それから何年も経って、
みんな大学生になって暫くした頃、
ひとりの友人がロッキーに手紙を出したのだそうです。
まめな奴だなと思います。
そうしたら、何と返事が届き、
あの頃のみんなにお会いしたいというではありませんか。
変わるもの、変わらないものに思いをはせ、
少しドキドキしながら待ち合わせの新宿の喫茶店に行きました。
ジャニスは、アフロをやめてショートヘアになっていました。
ご主人は相変わらず髭をたくわえたウッドストック世代の雰囲気。
何という話題もないけれど、
何となくあの頃の思い出を語り合いました。
「あの頃はさぁ、結構勝手な毎日を送ってたんだよね。」
「ハンググライダーやってる悪い連中と2階で大麻を吸ったりしてさぁ。」
ご主人の話を、ジャニスは相変わらず静かに聞いて、
時々うなずいていました。
あの時間は何だったのだろう。
過去とは、いつも美しく変化するもので、
時が経つほどに、美しくなってゆきます。
新宿の喫茶店で再会しなければ、
ジャニスは私たちのなかで、
もっと美しい思い出になったのかもしれないなぁと、
思ったりします。
知らない方が良いということは、世の中には沢山転がっているものですね。
コメント
コメントを投稿