ネガティブ : ナッシング

2月末だったと思う。
朝日新聞に目についたニュースがありました。

すげがさのスイス人 「日本安全」 徒歩の旅

日本を大好きなスイス人が、
大地震と原発事故の後、
落ち込んだ海外からの旅行需要を取り戻そうと、
北海道の宗谷岬から
鹿児島の佐多岬まで、
2,900㎞を徒歩で歩いた。
その彼の道行きをドキュメンタリー映画にしたという記事でした。

何だか、「日本頑張れ」のボランティア活動とも違う、
でも、なんで歩かなくちゃいけないの?
いまひとつピンとこない発想でした。正直なところ。

そこで、
ドイツ文化センターの上映会を見に行きました。



negative:nothing って何だろう?
これは、
彼が旅の毎日を綴ったブログに、
良かったこと(positive)、悪かったこと(negative)をリストアップしたというところに味噌があります。
良かったことは、毎日色々あるけど、
悪かったことは、今日も何もなかった。
出会う人はみんな親切だった、
みんな人なつっこくて、
楽しい人たちだった。
それを、一言で表した表現です。

この一言がキーになったことで、
彼のチャレンジは、全然別の意味を持って
日本人の心に訴えてきます。

私たちが、まったく見過ごしていた日本、
まったく気付かなかった日本の美しさ、
日本人の心の豊かさ。
人なつっこさ。

それに気付くのと同時に、
自分も彼の旅を心から応援する気持ちになりました。
多分、この映画を見たほとんどの日本人が、
同じ気持ちを共有したことだと思います。

行為が、あまりにシンプルであること。
そして、彼の人物像が、
あまりに純粋で素朴であること。
そのことが、
この映画に何とも言えぬ風を吹かせています。
風は涼しげで、気持ち良い。

良い映画でした。

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